留学前 / 08
渡米準備
出願から渡航・到着までの準備を整理する。

- 書類をそろえる
- 荷物を準備する
- 到着後の生活を確認する
準備するものを、書類・持ち物・到着後の予定に分けて確認しましょう。
01|はじめに:渡米までの全体像
この章では、入学先への出願から米国到着までに必要な準備を、順番と並行作業に分けて説明します。日数は余裕を持つための目安です。情報の優先順位は、1.本人のポータルや学校からの個別連絡、2.学校・政府の公式ページ、3.このロードマップの参考情報です。すでに米国の学校に在籍している人は、新規のビザ申請とSEVIS(米国の留学生情報を管理するシステム)移管を区別してください。
02|出願準備と必要書類の収集(目安:出発の約1年前〜半年前)
1. 学校・専攻の選定
まずは志望校と専攻を絞り込み、各校の入学要件(英語スコア・必要書類・締切)を確認します。コミカレからUCへの編入を目指す場合は、編入先UCの専攻要件から逆算してコミカレの履修を組むことが重要です。ここが、その後の準備の土台になります。
2. パスポートの取得・更新
出願とビザ申請の前に、有効期限と氏名表記を確認します。必要な残存有効期間には国籍別の例外があるため、「留学期間に加えて6か月が全員に必須」とは限りません。米国国務省・CBPと申請先大使館の案内で確認してください。
3. 成績証明書(Transcript)の手配【最優先】
出身校(高校・大学)に、英文の成績証明書の発行を依頼します。注意点は3つあります。
1. 発行依頼から到着まで時間がかかることがあります。
2. 多くの場合、厳封(開封すると無効になる封筒)のまま提出します。
3. 大学によっては、WES(外国の学歴・成績を評価する外部機関)などを通して、単位・GPA(成績平均値)を換算して提出します。
時間のかかる手続きなので、最優先で進めてください。
4. 英語力試験の準備
TOEFL・IELTS・Duolingo English Test(いずれも英語力を示す試験)などで、出願に必要なスコアを用意します。必要点は学校・コースにより異なり、目標点に届くまで複数回の受験が必要な場合もあるため、逆算して早めに対策を始めます。
5. エッセイ・自己アピール文の準備
UC出願ではPersonal Insight Questions(PIQ:経験や専攻への準備を伝える短いエッセイ)、その他の学校では志望理由書などが求められます。構想から推敲まで十分な時間を確保し、成績以外の経験や強みが伝わるように早めに書き始めます。
6. 推薦状の依頼(必要な場合)
出願校によっては推薦状(Letters of Recommendation)が必要です。UC編入では原則として不要ですが、併願する私立大学などで求められる場合があります。依頼する先生・上司には、余裕をもって早めに依頼します。
7. 資金計画・奨学金の情報収集
学費・生活費を見積もり、利用できる奨学金の情報を集めます。ビザ申請では支払い能力を示す資金証明が必要になるため、資金計画は早い段階で立てます。詳しくは「お金を知る」タブを確認してください。
03|願書を提出する(目安:出発の約8〜6か月前)
1. 出願フォームの入力と提出
各校のポータルサイトや共通出願システムから、オンラインで願書を提出します。入力項目が多く、締切直前は混み合うため、余裕をもって進めます。
2. 出願料の支払い
出願ごとに出願料をクレジットカードで支払います。複数校へ出願する場合は、合計額も見込んでおきます。
3. 資金証明書の準備・提出
英文の銀行残高証明書などで、留学費用を賄えることを示します。有効期限を確認し、出願時とビザ申請時の両方で使用できるように取得時期を調整します。
4. 出願校リストの管理
複数校に出願する場合は、締切・必要書類・提出状況を一覧表で管理します。出し忘れや締切超過を防ぐためです。
04|合格通知とI-20を受け取る(目安:約5〜3か月前)
1. 合格通知の受領
合格通知(Acceptance Letter)で結果を確認し、複数校に合格した場合は進学先を1校に決めます。
2. 入学意思の通知とデポジットの支払い
進学の意思を期限内に伝え、デポジット(入学金の一部)を支払って入学枠を確保します。
3. I-20の取得
I-20は、学校が発行する、F-1学生として学ぶ資格とプログラム情報を示す書類です。合格通知やビザそのものとは別で、F-1(米国の大学などで学ぶ留学生向けの学生ビザ区分)の申請や入国時に使用します。受領したら、氏名、学校名、学習開始日、資金情報を確認し、指定箇所に署名します。
4. 学生用ポータル・メールの設定
進学先の学生用ポータルとメールアカウントを設定します。以降は、学校からの重要連絡、支払い、履修登録の窓口になります。
05|F-1ビザを申請する(目安:約3〜2か月前)
F-1ビザは、大学・大学院・コミュニティカレッジ・語学学校などで学ぶ学生向けのビザです。基本の流れは「I-20取得 → SEVIS費支払い → DS-160(オンラインで記入する米国の非移民ビザ申請書)作成 → ビザ申請料支払い → 面接予約 → 面接 → ビザ取得」です。
1. SEVIS I-901費用の支払い
I-20を受け取ったら、SEVIS I-901費用(米国の留学生情報システムへの登録費用)を支払います。F-1学生の登録料は$350です(2026年時点。本人のみで、帯同家族は不要です)。I-20に記載されたSEVIS IDを使って専用サイト(fmjfee.com)で支払い、確認書を印刷して面接に持参します。
2. DS-160の作成
DS-160は、オンラインで記入する米国の非移民ビザ申請書です。滞在先住所(未定の場合は学校の住所)、渡航費用の支払者、SNSアカウントなどを入力します。送信後の確認ページを印刷し、面接に持参します。
3. ビザ申請料の支払い
ビザ申請料(MRV費)を支払います(2026年時点で$185)。ここで登録する住所が、面接後のパスポート返送先になります。
4. ビザ面接の予約と受験【重要】
大使館・領事館でビザ面接を予約します。時期によって予約枠が混み合うため、早めに予約してください。面接は原則として対面です。主な持ち物は、I-20原本、DS-160確認ページ、SEVIS費用の支払い証明、有効なパスポート、過去10年の古いパスポート、証明写真(5cm×5cm・白背景・6か月以内)、資金証明書などです。
5. ビザ付きパスポートの受け取り
面接を通過すると、ビザが貼られたパスポートが後日郵送されます。
6. 渡航時期の確認
学生ビザはI-20に記載されたプログラム開始日の365日前から発給される場合がありますが、実際に入国できるのは開始日の30日前からです。渡航日はこのルールに合わせて決めます。
06|生活準備を進める(目安:約2か月前〜出発直前)
1. 航空券・滞在先の手配
ビザ発給前は、変更できない航空券の購入や確定的な旅行計画を避けます。一方、寮は申請締切が早い場合があるため、ビザ取得を待たずに入居条件と申請期限を確認します。
2. 医療・健康の準備(予防接種・診断書・歯科)
多くの大学・コミカレでは、入学時に予防接種記録や健康診断書の提出を求めます。代表例は、MMR(麻疹・おたふくかぜ・風疹)です。抗体検査で免疫を証明できる場合もあります。
要件は州・学校で異なり、接種完了まで数か月かかる場合があります。未提出だと履修登録ができないこともあるため、早めに確認してください。
常備薬の英文処方箋も用意し、現地では高額になりやすい歯科治療は渡米前に済ませておくと安心です。
3. 生活インフラの手配
- 健康保険:学校指定の保険とその補償期間を確認します。追加の留学保険・旅行保険が必要かは、渡航中や入学前の補償の空白、補償範囲を比較して判断します。重複加入が必須とは限りません。
- 海外送金(Wiseなど):日本からの送金・仕送りの仕組みを出発前に作っておきます。
- 現地SIM/eSIM:到着直後から通信できるよう準備します。
- クレジットカード+国際デビット/キャッシュカード:ホテルや住居のデポジット、授業料の決済で必要になる場面があるため複数枚あると安心。
- 現金・現地通貨:到着直後のSIM購入・交通費用に、少額の現地通貨を用意します。
- アプリ・VPNの設定:地図・決済・大学アプリなど、現地で使うものを事前に。
4. 学習開始に向けた準備
履修登録の準備、オリエンテーション日程の確認、現地のコミュニティやメンターへの事前連絡など、学習を円滑に始めるための準備をします。
07|日本側の手続きを完了する(目安:約1か月前〜出発直前)
1. 海外転出届・住民票
海外に1年以上滞在する予定の場合は、市区町村役場へ海外転出届を提出します。出国予定日の14日前から手続きできます。提出すると住民税・国民健康保険・国民年金の扱いが変わります。1年未満の予定では原則として不要です。
2. 国民健康保険・国民年金
海外転出時の健康保険の資格と年金の扱いを、市区町村または年金事務所に確認します。国民健康保険と勤務先の健康保険では扱いが異なります。海外の大学に在籍するだけで学生納付特例が使えるわけではありません。任意加入の可否や保険料の扱いも含め、本人の状況に応じて確認してください。
3. 税金・納税管理人
海外転出だけで、すでに課税された住民税がなくなるわけではありません。原則として、各年の基準日の住所と前年の所得に基づいて課税されます。出国後に納付が残る場合の納税管理人や申告手続きは、市区町村・税務署に確認します。
4. 郵便・各種契約・マイナンバーの整理
郵便物の転送設定、携帯電話や定額サービスなどの契約整理をします。マイナンバーカードは国外継続利用の手続きを出国前日までに行うと、海外でも引き続き利用できます。
5. 国際運転免許証
現地で運転する予定がある場合は、国際運転免許証を取得します。日本の運転免許証は返納せず、保持したまま出国できます。
6. 在留届・たびレジ・緊急連絡先
3か月以上滞在する場合は、渡航後に住所が決まってから、オンラインで在留届を提出します。短期の移動には、たびレジも利用します。あわせて、家族と共有する緊急連絡先を整理します。
08|渡航当日から到着直後
1. 入国審査
入国審査(Port of Entry)では、I-20とパスポートを提示します。必ず手荷物で携帯し、預け荷物には入れないでください。入国できるのは、プログラム開始日の30日前からです。
2. 空港から滞在先への移動
空港から滞在先までの移動手段や、学校・ホストファミリーによる出迎えの有無を事前に確認します。
3. 現地銀行口座の開設
長期留学では現地の銀行口座があると便利ですが、開設には住所証明が必要なことが多く、到着後しばらく時間がかかる場合があります。それまでの生活費は、日本のクレジットカード・デビットカードと現金で支払います。
4. 住居のチェックイン
寮・アパートのチェックイン時に、デポジットの支払いでクレジットカードが必要になる場合があります。
5. 通信・交通・オリエンテーション
SIM・eSIMを有効化し、交通手段を確認して、学校のオリエンテーションに参加します。詳しくは「コミカレ生活」タブを確認してください。
09|つまずきやすいポイント
1. パスポートの残存有効期間を確認する
残存有効期間が足りないと、ビザが発行されない場合があります。準備の最初に有効期限を確認し、足りない場合は更新から始めます。
2. 成績証明書の発行・提出に余裕を持つ
Transcript(成績証明書)は、発行依頼から到着まで時間がかかります。厳封(開封すると無効になる封筒)の指定や、WESなどの学歴評価機関を通す必要がある場合もあるため、最優先で手配します。
3. エッセイの準備を後回しにしない
出願は成績だけで決まるとは限りません。PIQ・志望理由書で経験や強みをどう伝えるかを整理し、推敲する時間を確保します。
4. F-1ビザの手順を正確に進める
DS-160の記入ミスは、却下・遅延の原因になります。SEVIS費用 → DS-160 → 申請料 → 面接予約の順序と、面接の持参書類を正確に確認します。SNSアカウントの公開設定も確認してください。
5. 航空券と住居の申請時期を分ける
ビザ発給前は、変更できない旅行予約を避けます。一方、住居は学校の申請期限を優先します。
6. 渡航直後の支払い手段を用意する
現地口座は到着後にしか開設できない場合が多いため、当面はクレジットカード・デビットカードと現金で支払えるように準備します。
※本ページの金額・要件(SEVIS費・ビザ申請料・予防接種・各役所手続きなど)は2026年時点の一般的な情報です。制度は変更されることがあり、州・学校・自治体によっても異なります。実際の手続きの際は、必ず各校の公式情報・在日米国大使館(travel.state.gov)・お住まいの役所などで最新をご確認ください。
