
MTSU Aerospace 〜 Koki
富山県出身のKokiさんが、カリフォルニアからテネシーへ移り、MTSUで本格的にパイロットを目指すまでの道のりや学びを紹介します。

プロフィール
出身コミカレ | Orange Coast College |
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専攻 | 航空学 |
進学先大学 | Middle Tennessee State University |

インタビュー
— 留学までの経緯 —
Q. 日本の高校卒業後、どのように進路を決めましたか?
A. 富山県の高校に通っていた頃、ロータリークラブを通じて留学プログラムに合格していましたが、ちょうどそのタイミングでコロナが拡大し、留学が中止になりました。
日本の大学を受験し合格もしましたが、宇宙分野に進みたいという気持ちや、教授との意見の対立もあり進学を断念しました。
その後「海外の大学で宇宙を学びたい」という思いから、東京のNICインターナショナルスクールで1年間学び、OCC(Orange Coast College)に進学しました。
Q. パイロットを目指すようになったきっかけは?
A. OCCに入学当初はビジネスメジャーとして勉強していましたが、在学中に「将来自分は本当に何をやりたいのか」を考えたときに、旅客機のパイロットという職業に強く惹かれました。
きっかけとなったのは、OCCでルームメイトだったジョーダンという友人の存在です。彼が先にパイロットを目指しており、その話を近くで聞くうちに影響を受け、自分もその道を志すようになりました。
自分の性格的にも「常に新しい世界を見たい」「大きな挑戦がしたい」という思いが強く、空を飛ぶ職業にロマンと魅力を感じました。そうした背景の中で、プロフェッショナルパイロットになることを本気で目指し始めました。
Q. なぜMTSUを選んだのですか?
A. パイロットになるための四年制大学を探していく中で、航空学部で実績のある大学を複数リサーチしました。その中でMTSUは以下の点が魅力でした。
- 全米屈指のパイロット養成プログラムと歴史ある航空学部を持っている
- 大学専用の空港が2つあり、質の高い訓練機材・機体が揃っている
- テネシー州は生活コストが安く、学費・生活費の面で現実的(パイロット訓練には膨大な費用がかかるため)
- 実際にエアラインへ就職した卒業生の実績がある
また、ルームメイトのジョーダンが「MTSUは良い大学だ」と勧めてくれたことも後押しとなり、「一緒に行こう」という流れで編入を決意しました。
— 授業・課題 —
Q. 授業のスタイルや内容について教えてください。
A. MTSUでは一般教養科目などの座学は、1クラス50〜70人程度の大教室で教授のレクチャーを受ける形式です。航空学科の学生はそれに加えて実技トレーニングがカリキュラムに組み込まれています。
大学が専用の空港を2つ保有し、訓練専用機体を複数所有しているため、「キャンパスで講義 → 空港に移動してフライトトレーニング」という流れが日常です。授業よりも空港にいる時間の方が長いくらいで、“机上の勉強+現場で身体を使う学び”というスタイルが特徴です。
Q. GPAや課外活動との両立はどうしていましたか?
A. 留学前からGPAの重要性を理解していたので、Rate My Professorなどを使って効率よく授業を選びました。楽な授業を取るというよりは、戦略的に負担を減らす選択をしていました。
課外活動(ドラムやDJ)も楽しみながら続けられていて、それが逆に勉強のモチベーションにもなっています。
— キャンパスライフ —
Q. キャンパスの雰囲気はどうですか?
A. MTSUはUCLAの2倍ほどある非常に広大な敷地を持ち、自然豊かで開放感のあるキャンパスです。テネシー州という土地柄もあり、「都会的な洗練」よりは素朴で温かい雰囲気が強い印象です。
航空だけでなく音楽系や建築系なども強い大学なので、学生の専攻は多様で、さまざまなバックグラウンドを持った学生が集まっています。
ただし、カリフォルニアの大学と比べるとアジア人や日本人はかなり少なく、ローカル感が強めです。その分、“自分が外国人なんだ”という感覚を常に持ちながら、良い意味で自立心やタフさが養われる環境です。
自然が好きでのびのび学びたい人、静かな環境で訓練に集中したい人にはぴったりの大学と言えます。
— 今後の目標 —
Q. アメリカで印象に残っている経験は?
A. カリフォルニアとテネシーの文化の違いには驚きました。カリフォルニアでは日本食や日本のコミュニティも豊富で困ることがなかった一方で、テネシーではアジア人も少なく、文化的なギャップを大きく感じました。
また、LAでのレイブイベントなど日本では味わえない規模感の体験も印象的です。
Q. 就職についての考えを教えてください。
A. 将来的にはアメリカでパイロットとして働きたいと考えています。ワーキングビザ取得のプロセスを見据えて計画中です。
現在はSNSなどを通じた仕事の依頼も増えており、自分の経験を活かした働き方も視野に入れています。
Q. 数年前の自分に伝えたいことは?
A. 「人生なんとかなる。だから心配しすぎなくて大丈夫。」
高校時代はコロナで留学も文化祭もなくなり、日本の大学受験もうまくいかず不安が多かったです。でも結果的にその“遠回り”が今の面白いキャリアに繋がっています。
だから当時の自分には「失敗や挫折に見えることも、全部あとで意味がある道になるから気にすんな!」と伝えてあげたいです。今はむしろあの時飛び込んでよかったと思えています。
— アドバイス —
Q. これから留学を目指す中高生に伝えたいことは?
A. “自分の殻を破る経験を全力でしてほしい”ということです。
日本の中だけにいると、どうしても価値観や世界が狭くなりがちです。実際に海外に出てみると、日本人としての自分、世界の中にいる自分、色々な視点で「自分は何者なのか」を考えさせられます。
留学は語学だけじゃなく、価値観を壊す旅。だからこそ怖がらずに、ぜひ一歩踏み出してほしいです。

Kokiさんの活動紹介
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